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HYROXのペース配分|ランは何秒遅く入る?研究とデータで解説

HYROXでよくある失敗が、最初のランを飛ばしすぎて後半に大きくペースが落ちることです。ランが8本あり、その間にきつい種目が入るHYROXでは、ペース配分がタイムを大きく左右します。この記事では、HYROXの選手を対象にした研究と、分析サイトや解説サイトのデータをもとに、ペース配分の考え方をまとめました。

結論

  • ランは後半になるほど遅くなるのがふつう。大事なのは落ち幅を小さくすること
  • 最初のランは5kmのレースペースより1kmあたり10〜20秒ほど遅く入る
  • SkiErgとローイングは少し抑える。がんばってもタイムはあまり縮まらない
  • Roxzone(移動エリア)も歩かずにジョグで。ここでも数分の差がつく

ランはどれくらい遅くなる?

2026年に発表された研究(Gutiérrez-Hellín氏ら)では、HYROXマドリード2025の男子Proの選手24人(平均タイム69分58秒)のランを調べました。1本目のランは時速16.13km(1kmあたり約3分43秒)でしたが、8本目は時速13.58km(約4分25秒)まで落ちていました。トップクラスの選手でも、ランは後半に向けて少しずつ遅くなります。研究チームは、比較的高い強度を保ち続けられることが、ランの合計タイムを縮めるカギだとしています。

また、7シーズン分のProの結果を分析した研究(Rappelt氏ら、2026年)では、ランはレース全体の時間の約50%をしめていて、上位100人のタイムが速くなった理由の多くは、ランが速くなったことでした。

※1kmあたりのペースは、論文の時速から換算したものです。

最初のランのペース

分析サイトHyroxDataLabは、ランを3つに分けて考える方法を紹介しています。

ラン きつさの目安 ペースの目安
1〜3本目 75〜80%(楽で退屈なくらい) 5kmのレースペースより1kmあたり10〜15秒遅く
4〜6本目 80〜85%(きついけどコントロールできる) 1〜3本目より5〜10秒遅く
7〜8本目 85〜90%(きついけど崩れない) ペースを保つか、余裕があれば上げる

たとえば、5kmを1kmあたり4分00秒で走れる人なら、最初のランは4分15秒くらいが目安です。HyroxDataLabは、1本目から8本目にかけて1kmあたり10〜20秒遅くなるのはふつうで、30秒以上遅くなるなら最初が速すぎた、としています。

HYROXの解説サイトRox Lyfeは、HYROXのランのペースは5kmや10kmのペースよりほぼ確実に遅く、ハーフマラソンやフルマラソンのペースに近いとしています。最初に飛ばすと、乳酸がたまり、体のエネルギー(グリコーゲン)を早く使い、体温も早く上がってしまう、と説明しています。

HYROXの公式サイトも、速く出すぎないこと、ペースを守って心拍をコントロールすることをすすめています。

ステーションごとのペース配分

  • SkiErgとローイングは少し抑える:Rox Lyfeは、エルゴでがんばっても、使う力の割にタイムはあまり縮まらないとしています。1000mで10〜15秒ゆるめるだけで、力をかなり残せます。
  • スレッドプッシュの前のランは抑える:HyroxDataLabは、2本目のランを飛ばすとスレッドプッシュが30秒以上遅くなるとして、2本目と3本目のランは1kmあたり5〜10秒抑えることをすすめています。
  • スレッドプッシュは脚を使い切らない:Rox Lyfeは、脚を壊さない範囲でどれだけ押せるかを知っておくことが、レースを左右するとしています。
  • スレッドプルは止まらない:引く合間の休みを短くします。
  • ウォールボールは最初から全力にしない:ペースを決めて、セットを分けて進めます。

研究(Brandt氏ら、2025年)では、心拍数、乳酸、きつさの感じ方がいちばん高くなったのは、最後のウォールボールでした。最後に余力を残しておくことが大切です。

Roxzoneも大事

HyroxDataLabによると、Roxzoneの合計時間はトップ選手で4〜5分、中級者で7〜9分です。ステーションの間の移動を歩かずにジョグで進むだけでも、タイムは変わります。Rox Lyfeは、会場の配置やステーションの順番を事前に確認しておくことをすすめています。

目標タイム別の時間配分

目標タイム ランの合計(1kmあたり) ステーションの合計 Roxzone
1時間10分 35分50秒(4分29秒) 28分00秒 5分30秒
1時間20分 39分45秒(4分58秒) 31分50秒 6分30秒
1時間30分 44分00秒(5分30秒) 36分10秒 7分30秒
1時間45分 50分35秒(6分20秒) 41分50秒 9分30秒
2時間 55分30秒(6分56秒) 47分20秒 12分00秒

※HyroxDataLabの目標タイム別の目安です。サイトの分析で、公式のデータではありません。

ペースを守るコツ

  • 心拍数を目安にする:Rox Lyfeの筆者は、最大心拍数の約85%で1kmを走る例を紹介しています。
  • 腕時計のラップを使う:ランごとにラップを押すと、ペースの落ち具合が見えます。時計の選び方はHYROXにおすすめのGPSウォッチで紹介しています。
  • 最初の興奮に注意:HyroxDataLabは、スタート直後はアドレナリンで1本目が楽に感じて速く入りすぎ、4本目あたりで崩れるのがよくある失敗だとしています。

まとめ

HYROXでは、ランが後半に遅くなるのは当たり前です。最初のランを5kmのレースペースより10〜20秒遅く入り、SkiErgやローイングで力を使いすぎず、最後のランジとウォールボールに余力を残しましょう。疲れた状態で走る練習はコンプロマイズドランニングの記事、平均タイムはHYROXの平均タイムで紹介しています。

参考にした情報(2026年10月6日確認):Gutiérrez-Hellín et al. Int J Sports Physiol Perform (2026)/Rappelt et al. Frontiers in Physiology (2026)/Brandt et al. Frontiers in Physiology (2025)/HyroxDataLab Running strategy/HyroxDataLab Pacing guide/HyroxDataLab Target splits/Rox Lyfe How to pace your running/Rox Lyfe Race strategy tips/HYROX公式 Best HYROX preparation

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