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コンプロマイズドランニングとは|疲れた状態で走るHYROXの練習メニュー

HYROXのランは、どれも直前に種目をこなしたあとの、脚や腕が疲れた状態で走ります。ふつうのランニングの練習だけでは、この感覚にはなかなか慣れません。そこで取り入れられているのが、疲れた状態で走る練習、コンプロマイズドランニングです。この記事では、やり方と頻度、研究でわかっていることをまとめました。

結論

  • コンプロマイズドランニングは、疲れる運動のあとや間に走る練習
  • 目安は週1回。レースが近づいたら少し増やす
  • 大事なのは全力で走ることではなく、疲れていてもペースを崩さないこと
  • HYROX向けのこの練習の効果を直接確かめた研究は、まだ見つからない

コンプロマイズドランニングとは

HYROXの解説サイトRox Lyfeは、ラン以外の疲れる運動のあとや間に走ることを、コンプロマイズドランニングと呼んでいます。たとえば、元気な状態で走る1kmと、100mのウォーキングランジのあとに走る1kmでは、感じ方がまったく違います。

HYROXの公式サイトも、脚や腕を使ったあとに走る経験をしておくことが大切だとして、ジムや自宅でレースの感覚を再現することをすすめています。

なぜ大事なのか

HYROXでは、ランがレース全体の時間の約半分をしめます。トレーニングアプリRoxFitは、8本のランで1kmあたり15秒ずつ縮めれば、合計で2分速くなるとしています。また、種目のあとの最初の200〜400mは、遅く感じるのがふつうだとしています。

2025年の研究(Brandt氏ら)では、HYROXを再現したレースで、乳酸の最大値やきつさの感じ方は、ランよりもステーションのほうが高くなっていました。きつい種目のあとに、すぐ走り出す力が求められます。

練習メニューの例

1km+ステーションを4セット

カナダのランニング誌Canadian Runningが紹介しているメニューです。

  • 1kmラン → HYROXのステーションを5分 を4セット
  • ランは全力ではなく、コントロールできるペースで
  • ペースが崩れるなら、ステーションの量や強度を減らす

500mラン+種目のくり返し

Rox Lyfeが紹介しているメニューです。

  • 500mラン → 40mスレッドプル → 500mラン → 100mファーマーズキャリー
  • これを60分間、できるだけ多くくり返す

ウォールボールのあとのラン

RoxFitが紹介しているメニューです。

  • 1kmラン → ウォールボール50回 → 1kmラン

スレッドがない場合は、ランジやスクワットなど、脚が疲れる種目でも代わりになります。器具がないときの練習は器具がなくてもできるHYROXの練習で紹介しています。

どれくらいの頻度でやる?

  • Canadian Runningは週1回として、質の高い練習としてあつかい、次のきつい練習までに筋肉を回復させるようすすめています。
  • ハイブリッドトレーニングのコーチ(Hybrid Athlete Club)は、レースの12〜16週間前は週1回、1〜2か月前は、ふつうのランの練習1〜2回に加えて、ランと種目を組み合わせた練習を週1〜2回、としています。
  • Rox Lyfeは、特にレースが近づいてきたら、この練習を増やしていくようすすめています。

ランと種目を組み合わせた練習はきついので、毎回これにする必要はありません。週の練習の組み方は初心者の1週間の練習メニューで紹介しています。

研究でわかっていること

HYROXのコンプロマイズドランニングの練習効果を直接調べた研究は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。近い研究としては、次のようなものがあります。

  • 筋トレのあとのラン:鍛えたランナー9人を調べた研究(Palmer氏ら、2001年)では、全身の筋トレのあと最大8時間、ランニングの効率(ランニングエコノミー)が下がっていました。24時間後には戻っていました。
  • 筋トレのあとのランのまとめ:19の研究をまとめたレビュー(de Carvalho e Silva氏ら、2022年)では、筋トレのあとは筋力が下がり、筋肉痛やきつさの感じ方が上がりました。一方で、酸素の使い方や心拍数には差がありませんでした。
  • 自転車のあとのラン:トライアスロンでの研究をまとめたレビュー(Bini氏ら、2022年)では、多くの研究で、自転車のあとのランは記録が落ちていました。ただし、体の中で何が起きているかははっきりしないとしています。トップクラスのトライアスリートでは、自転車のあともランニングの効率が変わらなかったという研究もあります。

疲れた状態でのランへの慣れ方には、レベルや練習による差がありそうですが、HYROXの種目のあとのランについては、まだ研究が少ないのが現状です。

まとめ

コンプロマイズドランニングは、HYROXのレースに近い、疲れた状態で走る練習です。週1回くらいから始めて、レースが近づいたら少しずつ増やしましょう。全力で走るより、疲れていてもペースを崩さないことを意識するのがポイントです。レースでのペース配分はHYROXのペース配分で紹介しています。

参考にした情報(2026年10月6日確認):Rox Lyfe Training plan fundamentals/HYROX公式 Best HYROX preparation/RoxFit Compromised running/Canadian Running/Hybrid Athlete Club/Brandt et al. Frontiers in Physiology (2025)/Palmer & Sleivert, J Sci Med Sport (2001)/de Carvalho e Silva et al. Sports Med Open (2022)/Bini et al. J Sci Med Sport (2022)/Bonacci et al. Sports Biomech (2011)

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